大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(あ)2747 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大竹武七郎の上告趣意第一は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上

告理由に当らない。(原審第四回公判期日においては、なんら事件の実体につき審

理をしていないのであるから、公判手続を更新する必要はなく、また弁論再開申立

に対する決定は、弁論終結前の事実審理に関与した裁判官でなければできないもの

ではない。)

同第二は、判例違反をいうが、論旨引用の判例はいずれも本件と事案を異にし適

切でなく、その余は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

(所論被告人の供述に任意性を疑わさせる点は認められない。)

同第三は、単なる法令違反ないし事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当

らない。(被告人が本件犯行の数年前に精神分裂病にかかつていたことは事実であ

るとしても、本件犯行当時における精神状態の認定については、事実審裁判所であ

る原審の専権に属することであり、原審が専門医の鑑定をまたずに、本件証拠上認

められる被告人の供述、行動、態度など一切の資料を検討した結果、被告人の精神

状態に異常がないと判断したことをもつて違法ということはできない。)

同第四は、単なる法令違反ないし事実誤認の主張であり、これまた適法な上告理

由に当らない。(原判決が、事実誤認の控訴趣意を排斥する旨説示するにあたり、

なんら証拠を挙げていないことは所論のとおりであるが、右説示につき逐一証拠を

示す必要はないものと解せられるばかりでなく、原判決は、第一審判決を破棄、自

判するにあたり、事実ならびに証拠関係については第一審判決のそれを引用するこ

とにより、これを明示しているのであつて、所論のように第一審と異なる事実を証

拠によらないで認定しているものでないことも判文上明白である。)

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弁護人桜井忠男の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり、適法な

上告理由に当らない。(所論については、弁護人大竹武七郎の上告趣意第三につき

説示したとおりである。)

弁護人安平政吉の上告趣意第一点は、違憲をいうが、実質は単なる法令違反の主

張であつて、適法な上告理由に当らない。(所論については、弁護人大竹武七郎の

上告趣意第四につき説示したとおりである。)

同第二点は、単なる法令違反ないし事実誤認の主張であつて、これまた適法な上

告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三八年一二月二五日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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